介護福祉士 今、介護現場では。

エピソード 1

「また、見えたんだ」夜勤者との朝の引継ぎをしている時、スタッフの一人が私に耳打ちしました。「あのドアの前辺りに、立っていたんだ」 この話は、色々な介護施設でよく耳にします。 私は残念な事に1度も見たことはありませんが、霊感とやらが強い人には見えるようです。 思えば、どの高齢者施設でも、新しい入居が決まるという事は、誰かが亡くなったという事が圧倒的な理由です。 平屋の建物なのに、夜中に上から足音がしたとか、寝たきりの方の部屋から物音がしたとか、この仕事を長年していると珍しくない話題です。 入居者の方が亡くなると、24時間関係なく、主治医・御家族・施設管理者などに一斉に連絡がいき、主治医より死亡診断書が出され、エンゼルケア後に家族の意向をお聞きして、葬儀社の手配をします。施設や御家族によって若干の違いがありますが、流れとしてはこのようです。 

高齢者施設に入り、スタッフに見守られ、冷暖房つきの部屋で暖かいお布団の中、長い人生を全う出来た皆様は、私は幸せだったと信じています。